「NEXT GIGAで越えるべき壁」をテーマに、第34回ProjectHESOセミナーが奥能登行政センターで開催されました。
今回は、放送大学教授でありICT活用の第一人者である中川一史氏をゲストスピーカーに迎え、中央教育審議会で現在議論が進む「GIGAスクール構想の次のステージ」について、その背景や課題、そして展望についてお話しいただきました。

中川氏の講演では、全国で1人1台端末が当たり前になりつつある中で、次に乗り越えるべき課題や教師の果たす役割、学びのデザインについて、豊富な事例を交えながら解説があり、参加者も熱心に耳を傾けていました。
講演のあとは、気になった点をグループで出し合いながら自由に意見交換を行いました。
どのグループも大いに盛り上がり、次に進むのが惜しまれるほど熱のこもったアウトプットが見られました。
さらに後半は、①ツールの選択はいつからどのように行うか、②デジタル放任授業にならないために教師としてどのように振る舞うべきか、③子供たちに他者参照の必要感をどう持たせるか、そしてどんなグッドプラクティスがあるか、という3つのテーマに分かれて議論を深めました。
参加者の一人からは「子供たちが他者の思いや考えを参照したくなるのは、やはり『表現』の場面である。正解のない問いに向き合うときも同様ではないか」といった深い気づきが共有され、実践に向けたヒントを得る声が多く聞かれました。
デジタルの利活用が進む中で、単にツールを使いこなすだけでなく、子供たちの学びにどう結びつけるのか、そして教師自身がどのように学びを再設計していくのかがますます問われています。
参加者にとって今回のセミナーは、自校のICT活用の取り組みを振り返り、今後の方針を考える貴重な機会となったように思います。
ProjectHESOでは、今後も能登を起点に、多様な学びの視点をつなぐセミナーを継続していきます。
地域の教育力をさらに高めるため、参加者一人ひとりの学びが学校現場へと還元されることを期待しています。