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hokkaプロジェクト

#高等学校

hokkaプロジェクト ~北陸製菓株式会社のビスケットを売り出す 新たな方法~

HESOコミュニティモデル

プロジェクトのはじまり

企業が抱える課題に高校生のアイデアを 参画している企業にもプラスに

金大附属高等学校では、生徒の自主的な課外探究活動「SCHOLA(スコラ)」を推奨しています。今回は、企業が抱える課題を題材としたプロジェクト第1弾として北陸製菓株式会社の協力のもと、「北陸製菓株式会社のビスケットを売り出す新たな方法」について考えていくことになりました。
北陸製菓株式会社は1918年創業の老舗菓子メーカーで、看板商品の揚げあられ「ビーバー」、発売以来「ハードビスケット」の名前で親しまれてきた「北陸製菓(hokka) のビスケット」などが知られています。今回のプロジェクトでは、自然派ビスケット「米蜜ビスケット」に商品を絞り、生徒たちが同商品を売り出すためのアイデアを出すことになりました。

北陸製菓株式会社・営業企画部の佐竹美紗子氏は、プロジェクトへの期待について次のように話します。
「当社としてもいろいろと新しいことに挑戦したいとは思っていたところ、このプロジェクトの話をいただきました。当社のお菓子は、子どもから大人まで安心して食べられる、やさしい味をコンセプトにしていて、その思いが詰まったのが『米蜜ビスケット』。俵屋のじろあめ(米飴)を使用し、てんさい糖、玄米甘酒からくるおだやかな甘味が特徴です。当社製品のビスケットをどうしたら食べたくなり、買いたくなるのか、そのアイデアを高校生に出してもらったら面白いのではないかなと。高校生年代の子たちの生の声が聞ける機会はなかなかないので楽しみです」

「参画している企業にとっても、利益という面だけではなく新たな気づきや話題性などを含め、プラスになるようなことを仕掛けていきたい」と附属高等学校中澤宏一校長は言います。

まず7月21日、プロジェクトのキックオフとして、同社の髙﨑憲親代表取締役社長をゲストに迎えての座談会を開催しました。髙﨑社長から、自身のこれまでの経験や考えていること、会社として目指していることなどの話があり、生徒たちからは「普段はなかなか聞くことができないような方の話が聞けて、大きな刺激を受けた。プロジェクトに参加する一歩を踏み出したい」「髙﨑社長の行動力がすごい。逆境が目の前に現れても、前に進むことが大事だと思った」などの感想が出ていました。

試食会・行動分析

約70種類のビスケットを試食 「ビスケットと人」行動分析

続いて7月27日には、まずは商品を知るところから始めようと、北陸製菓商品のほか、各メーカーから市販されている商品など約70種類ものビスケットを集めての試食会を行いました。生徒たちはビスケットを食べ比べながら、味やパッケージ、食べやすさなどについて率直な感想を出し合ったり、それぞれの意見を付箋に書いて貼っていきました。

生徒たちからは「学校での授業とはまた違った体験で、活発に意見を出すことができた。企業の人に直接意見を出せるのが新鮮で楽しかった」「味だけではなく、パッケージも売り上げに関わるのだと知った。普段こういうことを考える機会がないのですごく楽しかったです」などの声が出ていました。

試食会に立ち会った北陸製菓の佐竹氏は「高校生の声が新鮮でした。会社として良かれと思ってやってきたこと(原材料やパッケージ)が高校生には響かないことがわかり(苦笑)、勉強になりました。今後も私たちが思いもしない展開がありそうで楽しみです」。

試食会の次は、「北陸製菓株式会社のビスケットを売り出す新たな方法」を考えるための土台として、「ビスケットと人」というテーマで行動分析をすることになりました。
9月2日、生徒たちが集めてきたデータを参加者で共有しながら、さらに深掘りをしていきました。生徒たちは、「どんなお菓子を食べているのか」「ビスケットを買うのはどのような年代なのか」「お菓子のパッケージにはどのようなものがあるのか」「ビスケットを買う頻度はどのくらいか」等々、附属高校生を対象としたアンケート調査によってデータを集めたり、家族や身近な人たちにヒアリングをしながら、「ビスケットと人」の行動分析を行いました。集めたデータと行動分析をもとに、独自のアイデアを練り上げ、プレゼンテーションへと繋げていきます。

参加した生徒からは「自分の常識や、先入観にとらわれず、客観的に考えることの大切を感じた。また、みんなの意見の収集法や、着眼点が異なり、とてもおもしろかった」との声が出ました。

北陸製菓の佐竹氏は、生徒たちが調べてきたことが「多種多様で面白かった」と振り返ります。「思い込みや偏りも含めての彼らの行動実態がよくわかり弊社としても今後の商品開発にいきる面白い内容でした。ここから次はどのように販売を広げていくかという発想にどのように展開していくのかが楽しみです」(佐竹氏)

プレゼンテーション

試食や行動分析もとにアイデア ビスケットを売り出す方法を社長に提案!

9月9日、プロジェクトに取り組んできた金大附属高校1、2年生の12人(7組)が、北陸製菓の髙﨑憲親社長と佐竹氏に「ビスケットを売り出す新たな手法」としてそれぞれのアイデアを発表しました。

ビスケットの売り上げを伸ばす販売方法のアイデアや、ビスケットを子どものおやつではなくイメージを変えるためにおかずとの組み合わせを考えた提案、パッケージデザインやビスケットのアレンジレシピの考案、音響効果による販売のアイデア、ビスケットとカロリーメイトとの栄養成分の比較をもとにした提案、米蜜ビスケットのキャラクターを活かした販促のアイデア、企業とのタイアップ案など、それぞれプレゼン方法も工夫しながら、多岐にわたった内容となりました。

髙﨑社長から生徒たちには「レシピのアイデアを聞いて、ビスケットをそのまま食べない手段もまだまだ可能性があるなと思った」「カフェとのタイアップなど、コラボの良さは実感しているので、今日プレゼンしてもらった内容も良かった」「カロリーメイトとの栄養成分の比較はしたことがなかったので、面白かった」などの感想が送られました。

髙﨑社長と佐竹氏によって最優秀賞に選ばれたのは、生徒会長の山口真武さん(2年)と石川優斗さん(2年)による「社長の心がHOKKAホカになるビスケット大作戦」。人気の揚げあられ「ビーバー」の知名度を活かし、ビーバーのキャラクターがビスケットを集めるゲームを作るという内容で、「ビーバー」の外袋に包装にQRコードを貼ることで宣伝になり、応募型の景品としてビスケットを試食してもらい周知につなげるというものです。山口さんたちが自作したゲームは、生徒たちや高崎社長らも実際に試し、獲得点数について盛り上がる場面も。髙﨑社長は「斬新で面白い発想。プレゼンも上手くて感心しました」と評しました。

全員の発表後、参加した生徒からは「みんなの想像力がすごい。プレゼンテーションの方法もいろいろで勉強になった」「自分が思っている以上に良いアイデアがたくさん出ていて面白かった。ゲームとかも実際に体験できるものもあって楽しかった」などの感想が出ていました。

発表後には、髙﨑社長と佐竹氏を囲んでの座談会が行われ、生徒たちとざっくばらんに話し合う場を設けました。座談会では、高校生は普段どのようなお菓子を買って食べているのか、どのような要素を重視しているのか、といった髙﨑社長からの質問に、生徒たちは積極的に自分の経験や意見を出していました。

髙﨑社長は「高校生たちの発想や視点が面白かった。また、若いうちに、このように企業を前にプレゼンテーションをする経験は貴重で、とても学びになる。この機会は今後にも生きていくと思う」「高校生など若い世代の生の声を聞く機会はなかなかないので、いろいろな意見が聞けてよかった」と振り返りました。

hokkaプロジェクトは終了しましたが、この取り組みは今後も新たなものを生み出していきそうです。

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