プロジェクトのはじまり
令和5年度における4年生の総合学習の共通テーマは「伝統工芸」。授業では、自分たちの身の回りの伝統工芸品にはどのようなものがあるか、というところからスタートしました。石川県には、輪島塗、九谷焼、山中漆、加賀友禅など古くから技術が継承されている伝統工芸が多くあります。まずは伝統工芸を知ろう、という中で、地元の着物問屋の方に来てもらい、加賀友禅の話をしてもらいました。
石川県には国指定伝統的工芸品が10品目(輪島塗、山中漆器、加賀友禅、九谷焼、金沢仏壇、金沢箔、七尾仏壇、金沢漆器、牛首紬、加賀繍)あります。その中で今回は金沢箔に着目。金沢箔(金箔)とは、金をおよそ10,000分の1ミリの薄さにまで打ち延ばした箔片のことで、工芸材料として仏壇・仏具、水引や西陣織など金銀糸、漆器の沈金や蒔絵などに活用されています。実は、国内の金箔のほぼ100%が金沢で生産されているのです。
授業ではまず、金箔がどのようなものに使われているのか、どれくらいの量が使われているのかなどについて、それぞれ本やインターネットで調べました。金箔について調べた後、実際に金箔を見たい、触ってみたいという子どもたちの要望に応え、6月、金沢箔の製造販売をしている箔座株式会社(以下・箔座)の広報・四十万谷昌代さんが来校。子どもたちは四十万谷さんから金箔について教わりながら、実際に「箔に触れる」体験をしました。
四十万谷さんは次のように振り返ります。
「子どもたちにはあまり先入観を持たずに金箔に触れてもらいたいなと。小さい金箔を竹串で掴んで瓶に入れたりする中で薄さなど実感してもらい、その後は、クイズ形式で金箔について楽しみながら学んでもらいました」
実際に金箔に触れた子どもたちは、金沢が誇る金箔産業の魅力を発信するために自分たちに何かできるのか、考えることになりました。以前からプロジェクトHESOの理念に共感し、協働プロジェクトにも興味があったという箔座がコラボレーターとして参画。「金沢の誇り金箔魅力発信プロジェクト」がスタートしました。