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「勝手に広報部!」広告完成に至るまでの軌跡をまとめました。

単なる職場体験ではない、中高生が社会の最前線で企業広報に挑戦するプログラム、それが勝手に広報部!」です。
2025年7月にスタートしたこの企画の記念すべき第1回は、多岐にわたる事業を展開する三谷産業株式会社を舞台に、未来の広報担当者たちが奮闘しました。その1ヶ月の軌跡をレポートします。

挑戦する彼らの成長を追って

この企画は、単なる知識の習得ではなく、中高生たちが自らの手で社会の課題に挑み、成長していくプロセスそのものでした。

■広報のプロから学ぶ

企画のスタートは、7月末から8月上旬にかけて行われた事前説明会でした。この日、集まった中高生たちは、広告制作のプロフェッショナルである橋本謙次郎氏(デザケン)から直接指導を受けました。新聞広告とは何か、という本質を学んだ彼らは、クリエイティブな思考の基礎を築きました。与えられた課題をこなすのではなく、読者の心に響くコピーや構成をどう生み出すかを真剣に考え始めました。

■企業を知る、魅力を探る

8月5日、学生たちは三谷産業株式会社の「すごい人・もの・こと」を探ろうと、同社を訪問。代表取締役社長である三谷忠照氏から直接会社のビジョンや歴史、事業内容の説明があり、質疑応答の時間には、中高生ならではの鋭い視点から多くの質問が飛び交いました。彼らの熱心な姿勢は、大人が当たり前だと思っていることにも、新しい気づきがあることを再認識させてくれました。

午後は、各々が興味を持つ部署を回り、社員の方々へ直接インタビューを敢行。部門を越えた連携や、社員一人ひとりの仕事にかける情熱を肌で感じ取ることができたようでした。

■アイデアをカタチにする

取材で得られた三谷産業株式会社の「すごい人・もの・こと」。学生たちは、取材で得た膨大な情報の中から最も読者の心に響くポイントを見つけ出す作業に挑みました。そしてそれを誰に、なぜ伝えたいのかをチームで議論を重ね、橋本謙次郎氏(デザケン)にアドバイスをもらいながら、キャッチコピーやビジュアルイメージに表現することに取り組みました。

集大成としての発表、プレゼン

約1ヶ月間の活動の集大成として、8月20日にプレゼン審査会を開催。各チームは、企業見学で得た情報を基に制作した新聞広告を発表。どの作品も、中高生らしい斬新な視点と、綿密なリサーチに裏付けられた説得力に満ちていました。そのレベルの高さに、審査員からも感嘆の声が上がりました。
見事グランプリに輝いたのは金沢西高校の「JAM’s」チームです。彼らの作品は、今回の新聞広告として実際に掲載されます。

参加チームが考えた広告の一例

■広告原稿を完成させる

グランプリを受賞した「JAM’s」チームの広告は、プロの指導を受けて完成へと向かいました。メンバーは、本プロジェクトのアドバイザーであるデザイナーの橋本謙次郎氏のオフィスを訪問。「アイデアを伝える相手の目線に立つことが重要」という橋本氏の助言を受け、学生たちは自分たちの発想をプロの視点から見つめ直す貴重な機会を得ました。彼らの作品は、この最終的な磨き上げを経て、新聞広告として多くの人々の目に触れることになります。

参加者の声

・初めてこういう事に挑戦させていただいて、学校では絶対にしないような体験ができたことがすごく楽しかったです。私は元々広告を作ってみたいという気持ちがあったので、プロのデザケンさんと一緒にデザインを考えられたことも嬉しかったです。あと、三谷産業株式会社のいろいろな部署の人からお話を聞いて社会人の方と会話するのってこんなに面白いんだと感じさせられました。(高校生)

・人を説得するスピーチの仕方を、グランプリのJAM’sなどから学ばせてもらい、学校でもこれからの社会でも役に立つような学びがありました。唯一の中学生ということで、緊張しましたが、いろいろな年上の方にも出会えましたし、新しい人脈も広がったので参加してよかったです。学校でのプレゼンの時に、今回の学びを活かしてどんどん挑戦したいです。(中学生)

・大人の方に聞いたら絶対にしっかりと向き合ってくれるということを学べました。自分が疑問に思ったこと、もっと知りたいことを大人に言えば何か返してくれるということがわかり、大人に頼ることは悪いことなんかじゃなく良いことでむしろ今まで自分が触れてこなかった視点を教えてくれるのでとても良いことなんだなと思いました。(高校生)

・学校外の人との交流や、大人との関わりを通して自分の成長を感じることができ、物事をいろいろな方向から考える力がついたように思います。今後は学校外の活動にも積極的に参加し、自分の知識や経験を積み上げていきたいなと感じました。(高校生)

活動を見ていた大人の声

・中高生の参加メンバーの皆さんには、驚くほどの高い熱量でこのプロジェクトに取り組んでいただき、心から感謝申しあげます。中高生ならではの着眼点や、まっすぐな言葉、ユニークなアイデアの数々に、私たち三谷産業の社員は良い刺激をいただき、新しい気づきや発見につながりました。参加メンバーの皆さんにとっても、ぜひ今回のプロジェクトでの経験が、これからの学生生活や将来の進路を考える際に活かされることを期待しています。(三谷産業株式会社)

・『中高生が企業を取材し、初めて新聞広告をつくる。』この企画、最初は正直どうなることかと思いましたが、今振り返ると、そのプロセスを生徒たちと一緒になって取り組めたことは、本当に楽しい時間でした。今回、コーチ役と審査員をやらせていただき一番感心したのは、みんなのプレゼンテーション力が予想以上に高いことです。自分たちなりの言葉で伝えようとしている姿には非常に好感が持てました。この機会が今後へのいい気づきのキッカケになればと思いますし、生徒たちのさらなる成長がすごく楽しみになりました。(橋本謙次郎氏)

・「勝手に広報部」という意味深な企画タイトルから想像するに、最終形が広告として成立するのだろうかと不安に思いました。しかし、その不安は良い意味で裏切ってくれました。モチベーションの高さ、発想力・表現力・プレゼン力といずれも想像の上をいくものでした。年齢を重ねると、過去の経験にとらわれて型にはまった常識的なアイディアになりがちですが、今回参加された皆さんの視点や考えは、広告に携わる我々にとっても大きな気づきになりました。将来、この広報部がきっかけで、広告の業界を目指す方がいてくれればと幸いに思います。(株式会社日本エージェンシー)

・審査に関わらせて頂きましたが、参加者のプレゼンを聞くのが楽しくて、2時間あまりの時間があっという間に過ぎました。とにかく参加者の熱量がすばらしい!そして,既成の価値観に縛られない斬新な中高生の視点、アイディア。きっとこれからの石川、日本、世界の未来を創っていくんだろうな、この人たちはと感じました。関わってくださった皆さんに感謝です!県内の中高生へ、このようなIPPOの企画にぜひ参加しよう!(一般社団法人金沢大学教育NewPlatform副代表理事 戸水吉信)

企画の成果と今後の展望

「勝手に広報部!」は、中高生と社会をつなぐ架け橋となり、彼らの成長に寄与できるよう努めてきました。

今後も私たちは、次世代を担う若者の挑戦と成長を支援する活動を続けてまいります。 


 

勝手に広報部! Vol.1

<審査結果>

・グランプリ  石川県立金沢西高等学校「JAM’s」
・準グランプリ 金沢大学附属中学校「福複附組」
・審査員特別賞 石川県立小松商業高等学校「美しい心」

<審査員>

三谷忠照氏(三谷産業株式会社 代表取締役社長)
橋本謙次郎氏(デザケン)
戸水吉信氏(一般社団法人金沢大学教育NewPlatform 副代表理事)
中村英樹氏(株式会社日本エージェンシー IMC推進本部 マーケティングチーム 部長)

<主催>

一般社団法人金沢大学教育NewPlatform

<共催>

金沢大学附属コラボレーション推進室

<後援>

石川県教育委員会、金沢市教育委員会、株式会社 北國新聞社

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